コラム

2024年7月15日

小規模多機能型居宅介護は誰がサービスを受けられるの?対象者と利用条件を解説

介護施設の利用をお考えの際に、介護施設について調べると思います。介護について調べると「小規模多機能型居宅介護」が検索で出ることが多いのではないでしょうか。

いったい、小規模多機能型居宅介護の利用対象者は誰なのか、どんな介護サービスが受けられるのか疑問に感じる方もいるでしょう。

この記事では以下の疑問点を解説します。

  • 小規模多機能型居宅介護の対象者は?
  • 小規模多機能型居宅介護の利点は?
  • 小規模多機能型居宅介護の利用条件は?

小規模多機能型居宅介護の利用をお考えの人は必見です。

小規模多機能型居宅介護とは?

小規模多機能型居宅介護は地域密着サービスと言われ、2006年の介護保険の改正によって生まれた介護サービスです。

中程度から重症度の要介護者が、在宅での生活を継続できるように支援します。

名前のとおり小規模の居宅型サービスです。

3つのサービスである、デイサービス(通所介護)、ホームヘルパー(訪問介護)、ショートケアステイ(短所介護)が一つの事業所で受けられるのが特徴です。

小規模多機能型居宅介護は、介護が必要でも住み慣れた地域で今後も暮らし続けることを目的としています。

小規模多機能型居宅介護の対象者

小規模多機能型居宅介護の対象者について紹介します。

  • 要支援1〜2
  • 要介護1〜5

介護等級に関わらず、事業所と同一の市区町村に住んでいる人が対象です。

要支援1,2

要支援1,2は、介護予防として小規模多機能型居宅介護を利用できます。要支援1〜2は日常生活上基本的なことは対応できるが、部分的な支援が必要な状態を指します。

要支援1

要支援1とは、要介護認定の中で介護階級が一番下の等級です。

主に起き上がる動作や、立ち上がりの動作など部分的な支援を必要としています。

ただし、軽度なためこれまでと変わらずに日常生活を続けることが可能です。

要支援2

要支援2とは、要介護レベルまでではないが、日常生活上一部に支援が必要な状態をいいます。

要支援1と支援内容は似ているのですが、起き上がり、立ち上がり以外にも入浴など一部の介助が必要です。

要支援1との違いは、身体機能の低下、介護に要する時間に違いがあります。

要支援1,2は、身体的衰えを予防するために、小規模多機能型居宅介護を利用すると良いでしょう。

要介護1〜5

要介護1〜5の場合は日常的な介護を必要としており、自分だけで日常生活を送ることが困難な状態です。

介護サービスとして小規模多機能型居宅介護を利用できます。

要支援との違いは、日常生活全般で誰かの介護が必要です。

要介護の中でも5段階に違いは以下の通りです。

介護等級要介護認定状態となる具体例
要介護1要支援2よりも思考力の低下身体能力の低下が見られる日常的に介助が必要な状態入浴時や排泄時に介助が必要
要介護2排泄や食事は自分でできるが生活全般で介助が必要認知症の初期症状(食事をしたことを忘れる、薬の飲み忘れ)立ち上がり、着替えなどに介助が必要
要介護3日常生活全般に介助が必要排泄、食事、歯磨き、着替え等の日常生活全般の介助が必要
要介護4自力での移動が困難介助がなければ日常生活を送るのが困難日常生活全般の介助が必要思考力の低下もみられ認知症の対応も必要
要介護5介助なしに日常生活を送ることが困難基本寝たきり状態コミュニケーションをとることが困難基本寝たきりなので寝返りおむつ替えが必要会話などの意思疎通も困難

小規模多機能型居宅介護では、柔軟なサービスを利用できるので状態に合わせて利用ができます。

小規模多機能型居宅介護の利点

小規模多機能型居宅介護の利点は、1つの事業所と契約すれば3つのサービスが利用可能です。

  • デイサービス(通所介護)
  • ホームヘルプ(訪問介護)
  • ショートステイ(短期入所介護)

上記のサービスを利用しながら在宅でも日常生活が維持できるように支援するものです。

小規模多機能型居宅介護ができる前は、3つのサービスが各々独立して存在していたため、介護サービスを別々の施設で受けていました。

別の施設で介護するデメリットに、対応するスタッフがそれぞれ異なるため馴染みのあるスタッフとの交流不足や、連携不足で介護ケアの連携が保たれていない問題点がありました。

特に認知症の兆候が見られると、周囲の変化に対応できず周りに不安や、混乱を引き起こしてしまう恐れがあります。

そこで、小規模多機能型居宅介護では1つの事業所でサービスを受けられるため、変化が少なく安心感が得られるでしょう。

小規模多機能型居宅介護の利用条件

小規模多機能型居宅介護の利用条件は以下にあげられます。

  • 利用時間と回数
  • 利用金額
  • 定員制限
  • 予約

利用時間と回数

小規模多機能型居宅介護は、24時間365日何度でも利用可能です。利用者の生活に合わせて必要なサービスを柔軟に調整ができます。

利用する場合は、担当のケアマネージャーが利用者の生活環境や健康状態に応じて利用時間と回数を設定いたします。

計画を立てた後も定期的な計画の見直しが可能で、特別な事情や緊急時に変更可能です。

利用金額

小規模多機能型居宅介護の費用は、基本料金と事業所が設定しているその他料金に分かれます。

基本料金は介護保険適応内で設定され、月額定額制度で利用可能です。

基本料金は、利用者の介護等級負担割合により変動があります。

その他料金は事業所によって違いがあるため、確認が必要でしょう。

定員制限

小規模多機能型居宅介護は、小規模でのサービスが特徴のため利用定員を設定しています。

定員制限は以下の通りです。

  • 同一事業所における登録可能な定員数は29名まで
  • デイサービス(通所介護)の1日あたりの定員数は15名以下
  • ショートステイ(短期的入所生活介護)の利用定員数は9名以下

上記の定員数の基準は、標準基準なので地域の実績に応じ、自治体が独自のルールを策定した場合のみ人数が変更になる場合があります。

小規模多機能型居宅介護で受けられるサービス内容

小規模多機能型居宅介護で受けられるサービスは以下の3つです。

  • デイサービス(通所介護)
  • ホームヘルプ(訪問介護)
  • ショートステイ(短期入所介護)

デイサービス(通所介護)

デイサービス(通所介護)は、介護を必要とする利用者が日中に施設を訪れ複数のサービスを受けながら日常生活を維持していくのが目的です。

サービス内容は以下にあげられます。

  • 身体介助
  • リハビリテーション
  • 健康チェック
  • 機能訓練
  • レクリエーション活動

サービス内容の幅は広く、柔軟な利用が可能です。

例えば、健康チェックと食事が終わったら帰宅するなど短時間の利用も可能です。

事業所によっては車の送迎を行う場合があるので、家族介護者にとっても負担が軽減できます。

ホームヘルプ(訪問介護)

ホームヘルプ(訪問介護)は、自宅で生活をしながら適切な介護を受けられます。

デイサービスでよく知っている顔馴染みのスタッフが来てくれるので安心です。

サービス内容は以下にあげられます。

  • 身体介助
  • 通院介助
  • 買い物同行・代行
  • 掃除・ゴミ出し・洗濯

ホームヘルプでは、デイサービスで受けられる身体介助から買い物代行など自宅で生活ができるようなサポートが充実しています。

デイサービスとの大きな違いは自宅内の生活を支援してくれることです。

ショートステイ(短期入所介護)

ショートステイ(短期入所介護)は、介護施設の短期的な宿泊が可能です。

家族介護者が何かしらの理由で介護ができなくなった場合に、一時的に介護施設に宿泊し、適切なサービスを受けられます。

サービス内容は以下にあげられます。

  • 身体介助
  • 起床・就寝の介助
  • 夜間の見守り

ショートステイは一泊だけでなく、数日間の連続した利用も可能です。

家庭の事情や利用者の体調に合わせて有効活用するのが良いでしょう。

小規模多機能型居宅介護に向いている人

小規模多機能型居宅介護は、地域密着型サービスとして普及しています。

介護サービスを柔軟に利用できるので、自身の希望に合わせて生活をしていきたい人にはオススメです。

小規模多機能型居宅介護に向いている人は以下にあげられます。

  • 住み慣れた地域、住宅で生活を続けていきたい
  • 1つの事業所でサービスを済ませたい
  • 介護を受ける日にち、時間を柔軟に対応してほしい
  • 介護費用はっきりさせたい

小規模多機能型居宅介護に向いていない人

小規模多機能型居宅介護は便利な点が多いサービスですが、小規模多機能型居宅介護ではないほうが生活がしやすい人も存在するでしょう。

小規模多機能型居宅介護に向いていない人は以下にあげられます。

  • 常に専門的な医療ケアの必要性が高い状態
  • 他の介護サービスを利用したい
  • 必要分、利用分のサービスを受けたい
  • すでに他のサービスを利用していてコミュニケーションが取れている

まとめ

この記事では小規模多機能型居宅介護の対象者について解説しました。

小規模多機能型居宅介護は必要な介護等級に合わせて利用可能です。

地域密着型サービスといわれているので、これからも同地域で生活していきたい人にオススメな介護サービスです。