コラム

2024年7月1日

小規模多機能型居宅介護のメリット、デメリットを徹底解説!利用に向いているか確認しよう

近年、高齢化社会に伴い介護事業のニーズが高まっています。

令和4年時点では総人口に占める65歳以上の人口の割合が29%と言われています。

令和52年(2070年)には、2.6人に1人には65歳以上となる可能性が考えられ高齢化は社会問題です。今後も介護の市場は高まることでしょう。

この記事では介護サービスの一つである小規模多機能型住宅介護について解説します。

ここでは以下の疑問に回答します。

  • 小規模多機能型居宅介護とは何?
  • 小規模多機能型居宅介護のメリット、デメリットは?
  • 小規模多機能型居宅介護に向いている人は?

小規模多機能型居宅介護について知りたい方は参考にしてみてください。

小規模多機能型居宅介護とは

小規模多機能型居宅介護とは、自立した生活が困難となった要介護者が自分らしい生活を継続できるようにサポートする施設です。

1つの事業所で「通い」「訪問」「宿泊」の3つのサービスが利用できる地域密着型サービスと言われています。

介護需要が高まっている中で、2020年時点で小規模多機能型居宅介護は全国に5000事業所存在し、年々増加傾向にあります。

参考:2020年厚生労働省でデータ(③R02概況(1 施設・事業所の状況)

小規模多機能型居宅介護の利用内容

小規模多機能型居宅介護の利用内容は、3つあります。

  • 通い
  • 訪問
  • 宿泊

通い(デイサービス)

介護を必要とする人が施設に通って受けられるサービスです。

サービス内容は以下の通りです。

サービス内容サービス内容の詳細
身体介助食事、入浴、排泄介助など
リハビリテーション体操や運動、話すこと
社会的交流の場他の利用者とコミュニケーション

様々なサービスが受けられるので身体的、精神的なサポートが受けられます。

訪問(ホームヘルプ)

訪問は自宅での介助がメインのサービスです。

サービス内容は以下の通りです。

サービス内容詳細
身体介助歩行介助、移乗介助、外出介助など
通院介助医療機関に通院する際の介助など
生活介助洗濯、料理、掃除、ゴミ出しなど

自宅内のサポートだけでなく、通院サポートもしてくれます。通院のサポートがあることで安心して通いのサービスや病院への通院が楽に行えます。

宿泊(ショートステイ)

宿泊は短期入所介護(ショートステイ)と言われてます。短期入所介護のサービス内容は通いで受けられるサービスと同様でプラス宿泊できます。

ご家族の都合で介護ができない場合などに利用する場合があります。

小規模多機能型居宅介護の対象者

小規模多機能型住宅介護の対象者は、以下の条件を満たしている方です。

  • 要介護認定を受けている
  • 事業所と同じ地域に住民票がある

お住まいの近くに小規模多機能型居宅介護があるか確認しましょう。

小規模多機能性居宅介護のメリット

小規模多機能居宅介護のメリットは以下にあげられます。

  • 利用回数、時間の制限がない
  • 1つの事業所で複数のサービスが利用可能
  • 同一の事業所のため顔馴染みのスタッフからサービスを受けられる

利用回数、時間の制限がない

小規模多機能居宅介護は、利用回数、時間の制限がありません。

利用者の生活状況に応じて、24時間365日いつでも利用ができます。

費用は定額制のため、介護保険内で利用可能です。

多く利用できる方にオススメといえます。

1つの事業所で複数のサービスが利用可能

1つの事業者で3つのサービスが利用可能です。

3つの利用サービスは「通い」「訪問」「宿泊」に分かれます。

例えば朝訪問介護を利用し、そのまま事業所まで移動介助を依頼し通いのサービスを受けられます。

複数のサービスを必要に応じて使用したい人にオススメです。

同一の事業所のため顔馴染みのスタッフからサービスを受けられる

小規模多機能型居宅介護は同一の事業所のため顔馴染みのスタッフからサービスを受けられるので安心です。

顔馴染みのスタッフからサービスを受けられるので、情報共有がスムーズだったりコミュニケーションが取りやすいのが特徴といえます。

都度スタッフに病気や介護の状況を説明する手間が省けます。

小規模多機能型居宅介護のデメリット

小規模多機能型居宅介護のデメリットは以下にあげられます。

  • 他のサービスの利用制限がある
  • 利用料金が割高になる恐れがある
  • 担当のケアマネージャーを変更する必要がある
  • サービス利用者の人数制限がある
  • 待機時間が発生してしまう恐れがある

他のサービスに利用制限がある

小規模多機能型居宅介護は、他のサービスに利用制限があります。

1つの事業所でサービスが利用できるのがおすすめと伝えましたが、複数の事業者からサービスを利用したい場合には、デメリットになる恐れがあります。

基本的に小規模多機能型居宅介護で受けられるサービスは他では利用できません。

他のサービスで利用ができるのが訪問介護、訪問リハビリテーションです。

利用したいサービスが当てはまるのか確認してみましょう。

利用料金が割高になる恐れがある

小規模多機能型居宅介護は、利用回数によって料金が割高になる恐れがあります。

利用料金は定額制のため、毎月一定の利用料が発生いたします。利用回数が少ない人は割高になってしまう恐れがあるため、毎月どれくらい利用できるか確認すると良いでしょう。

担当のケアマネージャーを変更する必要がある

小規模多機能型居宅介護を使用する際、担当のケアマネージャーを変更する必要があります。他の事業所を利用していた方はそれに該当します。

専門のケアマネージャーが在籍しているため、一から信頼関係を築いていく必要があるでしょう。

新規手続きの手間をかけたくない人や、これまでのケアマネージャーにお世話になりたい人は注意が必要です。

サービス利用者の人数制限がある

サービスの利用回数には制限がないのですが、利用者の人数制限があります。

小規模という名の通り少ない人数でサービスを展開しているのが特徴です。定員数に達した場合は、サービスを利用できない恐れがあるため注意が必要です。

事前に利用者がどれくらいいるのか、制限がかかることはよくあることなのか担当のケアマネージャーに相談すると良いでしょう。

待機時間が発生してしまう恐れがある

サービスの定員数を超えてしまうと利用できなくなり、利用するのに待機時間が発生してしまう恐れがあります。

待機時間が発生してしまうサービスがあるのかは、担当のケアマネージャーに相談してみてください。

小規模多機能型住宅に向いている人

小規模多機能型居宅介護に向いている人は以下にあげられます。

  • 環境を変えたくない人
  • 複数のサービスを利用したい人
  • 体調の変化が激しい人
  • 家族に負担をかけたくない人

環境を変えたくない人

小規模多機能型居宅介護は、環境を変えたくない人に向いています。

1つの事業所で利用が済むので、環境の変化が少ないです。また、自宅からの利用ができるので、環境を変えずに利用を続けたい人に向いているでしょう。

複数のサービスを利用したい人

1つの事業所でサービスが完結できるので、複数サービスを利用したい人に向いています。

例えば、通いだけでなく宿泊などいろんな使い方ができるので状況に応じて利用するのが良いでしょう。

体調の変化が激しい人

退院直後や認知症など、体調の変化が激しい人に小規模多機能型居宅介護は向いています。

24時間365日利用が可能で、体調や状態に応じて適したサービスが受けられるからです。

家族に負担をかけたくない人

小規模多機能型居宅介護は、家族に介護の負担をかけたくない人に向いています。

柔軟なサービスが1度の契約で使用ができます。家族の負担も少なく導入する手間も少なくすみます。

小規模多機能型居宅介護に向いていない人

小規模多機能型居宅介護に向いていない人は以下にあげられます。

  • 利用回数が少ない人
  • サービスに対してこだわりがある人
  • 担当しているケアマネージャーを変更したくない人

利用回数が少ない人

小規模多機能型居宅介護は、利用回数が少ない人に向いていません。

利用料金が定額制なので、利用回数が少なくても一定の料金が発生します。

利用回数が少ない場合は、利用料金が割高になる可能性があります。

サービスに対してこだわりがある人

1つの事業所でサービスが展開されているため、個々のサービスに対してこだわりがある人は向いていません。

個々のサービスに強いこだわりがあり希望を通したい場合は、サービスごとに事業所を変える必要があります。

担当しているケアマネージャーを変更したくない人

現在のケアマネージャーを変更したくない人には向いていません。

小規模多機能型居宅介護は独立した事業所のため、新しくケアマネージャーと契約する必要があります。これまでの関係性を大切にしたい人は契約を検討すると良いでしょう。

まとめ

この記事では小規模多機能型居宅介護のメリットやデメリットについて解説しました。

小規模多機能型居宅介護は利用者が利用しやすいように、3つのサービスが利用できるのが特徴です。利用者の生活に合わせて利用できる面があるので、利用をお考えの方は自分の生活にあっているのか確認すると良いでしょう。

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