コラム

2024年8月21日

小規模多機能型居宅介護の訪問はどこまでが範囲内?訪問内容や違いについて知っておこう

小規模多機能型居宅介護は、2006年の介護保険改正に伴い地域密着型サービスとして誕生しました。

小規模多機能型居宅介護は、1つの事業所で3つの介護サービスを受けられるのが特徴です。

小規模多機能型居宅介護が誕生する以前は、各々の事業所があり複数の介護サービスを利用する際に手間と費用が発生していました。

各々のサービスが一つの事業所で受けられる時に以下の疑問が出てくるのではないでしょうか。

ここでは以下の疑問について解説します。

  • 小規模多機能型居宅介護はどこまでが範囲なの?
  • 小規模多機能型居宅介護のサービス内容とは?
  • 小規模多機能型居宅介護と他サービスの違いはあるの?

小規模多機能型居宅介護は、介護を利用しやすい環境が整えられています。

利用をお考えの方は気軽にご相談ください。

小規模多機能型居宅介護とは

小規模多機能型居宅介護は、介護を必要とした要介護者が住み慣れた地域で生活を維持するための介護サービスです。

一つの事業所で通いを中心とし、宿泊、訪問の3つを介護サービスとして提供しています。

複数のサービスが組み合わせ可能で、生活に合わせて介護サービスを選択できます。

小規模多機能型居宅介護は、名前の通り少人数制で利用者の状態に合わせた細かいケアが特徴です。

また、小規模多機能型居宅介護は別名「小多機」とも呼ばれています。

小規模多機能型居宅介護の対象者

以下の条件が利用できる対象者です。

  • 要支援1,2、要介護1〜5の認定を受けている要介護者
  • 利用する小規模多機能型居宅介護と同じ市区町村に住民票がある

小規模多機能型居宅介護の目的は、住み慣れた地域で生活を維持するためです。

その地域と同じ住民票がないと利用ができません。

小規模多機能型居宅介護のサービス内容とは

介護サービス内容は以下にあげられます。

  • 訪問
  • 通い
  • 泊まり

訪問

訪問は、介護を必要とする利用者の自宅に訪れて自宅内での生活支援を行います。

利用者のニーズに合わせて利用ができるため、比較的柔軟な対応が可能です。

たとえば、「今日は午前に食事介助のみ」「今日は朝と夕方に訪問してもらう」など生活リズムに合わせて利用できます。

基本的に回数や利用時間に制限はなく、短時間の利用も可能です。

通いが困難であったり、自宅でサービスを受けたい人は利用すると良いでしょう。

通い

通いとは、介護を必要とする利用者が施設に通い日常生活のサポートが受けられます。

施設に通うことで、外に出る機会を作れます。一日中家に篭っていては体にも心にもあまりよくはありません。

施設では生活介助やレクリエーションを通して他者との交流を深められます。

他者との交流を受けることが心身に良い影響を与えるでしょう。

小規模多機能型居宅介護の中でも利用割合が高く、1ヶ月あたりの平均利用回数は16.5回です。

泊まり

泊まりは、介護を必要とする利用者が施設に宿泊でき、介護サービスの利用が可能です。

必要に応じて泊まる日数を決められるため、一泊から連続した日数泊まりができます。

生活に支障が出ず安心して利用ができるでしょう。

小規模多機能型居宅介護の訪問と訪問介護の違いとは

訪問介護の違いについて解説します。

利用者の自宅を訪問し、生活の補助をしてくれます。

訪問介護小規模多機能型居宅介護(訪問)
訪問する時間が決められているサービス枠が規定により定められている 利用するごとに料金が発生する利用者の状態に合わせた24時間対応短時間での利用可能月額定額制

大きな違いは対応する時間です。

小規模多機能型居宅介護の場合はいつでも利用が可能なため、安心して利用ができるでしょう。

退院後の体調が不安定な状態や、認知症をお持ちの方は小規模多機能型居宅介護の訪問がオススメです。

小規模多機能型居宅介護の通いとデイサービスの違いとは

通いの違いについて解説します。

両方とも施設に通い、生活を維持するための介護サービスが受けられます。

デイサービス小規模多機能型居宅介護(通い)
あらかじめ決めた日に利用する行事が充実している傾向がある事前の計画に沿ってサービスを受ける必要な時に必要なサービスを受けられる1日あたりの定員数が19名未満利用内容の幅が広い

小規模多機能型居宅介護の通いは、「昼食だけ」といった単発での利用が可能です。利用人数に制限があるものの自由な点が良いです。

小規模多機能型居宅介護の短期入所とショートステイの違いについて

宿泊の違いについて解説します。

施設に宿泊が可能で、必要に応じて介護サービスが受けられます。

ショートステイ小規模多機能型居宅介護(泊まり)
利用に予約が必要柔軟な対応が困難利用者が多いと予約が取りづらい通いで利用している施設に宿泊できる柔軟な対応が可能1日あたりの定員数が10名未満

小規模多機能型居宅介護の宿泊は、介護家族者の急な予定でも宿泊の利用が可能なため負担を大きく減らせるのが強みです。

「訪問」から「通い」を利用しそのまま「宿泊」を行うことも可能です。

個々で介護サービスを契約して利用するよりも、手間や利用者の生活に合わせた利用ができるでしょう。

小規模多機能型居宅介護のメリットを解説

小規模多機能型居宅介護のメリットは以下にあげられます。

  • 定額料金のため費用を抑えられる
  • 利用者の生活に合わせて利用できる
  • 時間の制限がない

定額料金のため費用を抑えられる

小規模多機能型居宅介護は、月額の定額料金のため費用を抑えられます。

介護サービスには、介護保険支給限度基準額が決まっておりその限度額範囲内の月額料金のため費用が増す心配がありません。

また、利用回数に応じた料金変動もないので複数のサービスを利用したい、利用回数を多くしたい人にはオススメでしょう。

ただし、要介護や保険負担によって定額料金に変動があるので確認しておきましょう。

利用者の生活に合わせて利用できる

小規模多機能型居宅介護のサービスでは、利用者の生活に合わせて利用ができます。

利用者の体調面や、利用者家族の状況・希望に合わせ柔軟な対応ができます。

たとえば、午前中に訪問をお願いしてそのまま通い、宿泊も可能です。

数分の短時間での利用から、依頼したいことだけなど細かなサービスを受けられます。

体調や、家庭の事情で時間が読めない人は利用をお考えください。

時間の制限がない

24時間365日いつでも利用ができ、時間の制限がないのが小規模多機能型居宅介護の強みといえます。

複数のサービスにそれぞれ人数制限が設けられていますが、それさえ守っていれば何回も何度でも利用が可能です。

体調面に不安がある人には心強いことでしょう。

小規模多機能型居宅介護のデメリットを解説

小規模多機能型居宅介護のデメリットは以下にあげられます。

  • 介護サービスの併用に制限がある
  • 利用回数によっては割高になる可能性がある
  • 1日あたりの利用者数に制限がある

介護サービスの併用に制限がある

介護サービスの併用に制限があります。

今までに他の介護サービスを利用していた場合は解約が必要になるでしょう。

以下が併用できない介護サービスです。

  • デイサービス
  • ショートステイ
  • 訪問介護

小規模多機能型居宅介護で利用ができる介護サービスなので契約の見直しが必要でしょう。

利用回数によっては割高になる可能性がある

小規模多機能型居宅介護は、定額での料金設定となっているため利用回数が少ないと割高になる可能性があります。

複数のサービスが制限なく利用できるのがメリットなので、利用する際は頻度や内容は考えてみましょう。

1日あたりの利用者数に制限がある

小規模多機能型居宅介護は、小規模と名の通り規模が小さいため1日あたりの利用人数に制限があります。

基本登録人数が25名の場合がほとんどでその場合は、通いの場合は1日あたり15名以下、宿泊の場合は9名以下と決まりがあります。

例外として、登録人数が25名以上を越した場合のみ通いを18名に増やせます。

柔軟な対応が強みですが、人数によって利用ができない場合があるので事前に確認しましょう。

まとめ

この記事では小規模多機能型居宅介護の訪問内容、他のサービスとの違いについて解説しました。

それぞれの介護サービスとの違いがあるので利用する際は自分にあっているかを確認しましょう。複数のサービスを自分に合わせて受けたい人は小規模多機能型居宅介護をオススメします。

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