リハビリ専門施設であるデイケアにも、生活面で必要な介助が受けられるのはご存知でしょうか。デイケアは日常生活の維持・向上が目的としてあるため、目的に沿った形で介助が受けられます。
介助内容は事業所によって様々あり、食事介助や排泄介助、入浴介助まで身の回りの基本動作が介助対象になることが多いです。
今回は入浴介助について以下の観点から解説していきます。
デイケアの入浴について理解を深めたい人にオススメいたします。
デイケアの入浴介助はほとんどの事業所で行えるでしょう。要介護認定を受けた人が自立しての入浴が困難な場合に利用できます。
デイケアの入浴介助は、利用者の健康や清潔をキープする役割があります。入浴方法は様々あり、介護等級や体調面を考慮して選択すると良いでしょう。
デイケアの場合は事業所によって浴室のタイプが異なります。大浴場や個浴、機械浴など様々あるので事業所にどの浴室のタイプか確認してみましょう。
また、自立困難な利用者の入浴介助には他の介助よりもスキルが必要です。その点デイケアでは専門スタッフが在籍しているため安心して利用ができます。
デイケアの入浴介助の目的は以下にあげられます。
入浴することでリラックスができます。皆さんも入浴でリラックスした経験があるのではないでしょうか。
これは入浴で適度な温度に入ることで、自律神経の一つでもある副交感神経が優位に働き身体的緊張が解け、リラックス効果につながるといわれています。
その他にも睡眠の質改善、血行促進、筋肉弛緩、代謝亢進の効果があげられます。
入浴はリラックス以外にも身体的に良い効果が得られますね。
入浴の中でも大事な役割を持つのが、体を清潔に保つことではないでしょうか。
入浴をしていない状態が続いてしまうと、不衛生なる要因に繋がります。また、体臭がキツくなり周りの人に悪影響を与えてしまう恐れがあります。
体を清潔に保つことは、自分のみならず周りに影響を与えてしまうので、入浴は必須といえるでしょう。
入浴をしていない状態だと、上記でも説明した通り不衛生になるので細菌感染の恐れがあります。
不衛生の状態だと傷口から細菌が入り皮膚感染症や、尿道から細菌が入り尿路感染症などを引き起こす可能性があります。
感染症を予防するためにも、入浴は必須事項です。
日頃は基本的に服を着ているので、体の傷に気づく機会が少ないです。入浴する際は裸になるので、その際に体の傷や内出血など早期発見に繋がります。
早期発見できれば、早期対応が可能です。
入浴介助の種類は以下にあげられます。
一般浴は、基本的な銭湯と同様で共同浴場を利用する入浴方法です。
主に自力で歩行できる人や、手すりを掴んで歩行できる人など移動に介助を伴わない人が利用する入浴方法です。
比較的動ける人の入浴方法なので、基本的には自分で体を洗ってもらいます。手の届かない範囲である背中周りは介護士が介助に入る場合が多いです。
その他うまく洗えない所がある場合は介護士に相談してみましょう。
機械浴は2種類あります。
入浴専用の椅子に座り、その状態のまま入浴する方法です。椅子ごと入ることが可能なため、立ったり、座ったりの動作が辛い人にとっては負担を軽減できます。
座位の状態を安定できる人にオススメの入浴方法です。
ストレッチャーに寝た状態のまま入浴する方法です。ストレッチャー自体が動くことで入浴ができ、寝たきりの状態の人で、座位が困難な人にオススメでしょう。
立つことが困難で立位姿勢をキープできない人が、座位の状態でなら安定できる人に適している入浴方法です。
チェア浴との違いは、入浴時に椅子が上下に動くことです。
椅子が動くことで介護側の負担軽減につながるでしょう。
椅子が動くので介護側は利用者に対して十分な配慮、声かけが大事といえます。
シャワーのみで入浴する方法です。浴槽に入るのが困難な人や体力に自信がない人にオススメといえます。
デイケアの入浴介助のメリットは以下にあげられます。
デイケアの入浴介助は専門スタッフが介助してくれるため、安心安全に入浴が可能です。
また、入浴方法が様々あるため、身体的状態に合わせた入浴方法を選択できます。
入浴手順も細かく決められている場合が多く、椅子や浴槽、床にお湯をかけて全体を温めてから足元からお湯をかけてくれます。
いきなり体にお湯をかけてしまうと、体がびっくりしてヒートショックの可能性があるため、慎重な入浴が必須です。
介護士とコミュニケーションを計りながら入浴すると良いでしょう。
デイケアで入浴することで家族介護の負担軽減に繋がります。
1人の大人を動かすのは身体的にきつい部分もあります。また、入浴だと他の場所と違い気遣いが必要な場面であり、精神的にもキツくなることもあるでしょう。
介護者の負担を軽減する目的で、デイケアは誕生しました。使える介護保険はしっかり使いましょう。
デイケアの場合は施設に通ってリハビリ、介助を受けられるサービスなので家族がいなくても入浴可能です。
また、プロが入浴介助をしてくれるので家族よりも安心して入浴できるかもしれませんね。
デイケアの入浴介助のデメリットは以下にあげられます。
入浴の目的として感染症の予防があるのですが、デイケアでは不特定多数の利用者が入浴するため感染症のリスクが考えられます。
浴槽は密室で湿度が高くなるため、細菌にとっては憩いの場です。
もちろん施設で清掃、消毒は徹底的に行われていますが、空気感染など人が接して発症する感染症は防ぐのが困難といえます。
デイケアのリハビリや、運動で感染症にかかりにくい体を目指すと良いでしょう。
入浴時は服を脱いで入浴するため裸になるでしょう。裸を第三者に見られるのはストレスに感じる場合があります。
誰でも裸を見られて良い気持ちはしません。この場合は介護する側が配慮すべきでしょう。
同性のスタッフにしたり、最小限の介護であれば見守り介助で対応する場合もあります。
ただし、見守り介助には条件があり自立度が高かったり、必要であればスタッフを呼べる環境を整える必要があります。
入浴介助の仕方は事業所によって異なるため事前に確認しましょう。
今回はデイケアの入浴介助について解説しました。
デイケアはリハビリ専門施設ではありますが、目的は自立した生活を維持・向上が目的なためリハビリ以外のレクリエーションや日常生活の介助も充実しています。
特に入浴介助は生活の質、向上を目指すためには必須です。
事業所によって異なる部分が多いので、入浴ができる環境はしっかり整えていきましょう。