コラム

2024年9月16日

認知症専門のデイケア『認知症デイケア』について徹底解説

日本の高齢化社会問題に対しては、高齢以外にも認知症問題が存在します。人間は老化・退化していき、身体機能・脳機能とともに衰えが見え始めます。

身体機能のみではなく脳機能にも衰えが見え始めると、通常の介護・通常のデイケアだけでは対応が難しい問題が出てくるでしょう。

通常の物忘れとは違う認知症なので、より専門的なケアが必要といえます。

そこでデイケアの種類の中でも認知症に特化した「認知症デイケア」はご存知でしょうか。

以下の内容を解説していきます。

  • 認知症デイケアとは?
  • 認知症デイケアのプログラムは?
  • 認知症デイケアと他の介護サービスの違いは?

デイケアを利用したいけど、認知症で困っている人に必見です。

認知症デイケアとは

認知症デイケアとは認知症をお持ちの専門デイケア施設です。

通常のデイケアと同様に日常生活の向上を目指して、身体機能の向上・維持を目指していくのと同時に認知症に対してのケアも行います。

何かしらの原因により認知機能が問題で現れる症状によって、日常生活に支障が出て現在の暮らしを継続できない場合は利用すると良いでしょう。

デイケアと同様に医師・看護師・その他リハビリの専門職が在籍しています。その他精神的なサポートとして精神保健福祉士が在籍しています。

認知症はほっとくとどんどん進行してしまう病気です。

専門家からの治療・助言により、より良い生活を送りたい人は認知症デイケアでリハビリを受けましょう。

認知症とは

認知症とは簡単に言うと記憶障害です。昨日食べたものが思い出せないなどの記憶障害でなく、そもそもご飯を食べたかわからないほど深刻な状態です。

他にも家族の名前も忘れてしまうほど深刻な状態もあります。

脳の状態でいうと、脳には多数の神経細胞が存在します。その脳細胞の働きが低下・衰退することにより、判断力や記憶力、認知能力の低下がみられます。

結果認知能力の低下がみられ、日常生活上支障が出てしまう病的状態です。

日本国内では2022年時点で約443万人の認知症患者がいます。

高齢者の約8人に1人の割合です。今後も高齢化社会である日本は、認知症の人数は増えることでしょう。

認知症デイケアの対象者

認知症デイケアの対象者は日常生活上精神状態、異常行動をとってしまう方が対象です。

自立した生活は不可能で、人の助けは必須といえます。

対象となる主な行動は以下の通りです。

  • 自分の身の回りのことができなくなった
  • 徘徊し行方不明になる
  • 物忘れが激しく1日に同じことを何度もいう

以下の内容でも認知症デイケアは利用できます。

  • 認知症のリハビリを受けたい
  • 認知症の症状進行を遅らせたい
  • もっと自分らしく生活していきたい

認知症は進行していく病です。上手にこの病と付き合っていくかがポイントといえるでしょう。

認知症デイケアの利用目的

認知症デイケアの目的は通常のデイケアと同様に、これまでの日常生活を向上・維持をしていくためのものです。

デイケアを通じて日常生活に必要な身体機能の向上を図ったり、社会との繋がりを図っていきます。デイケアには専門家が在籍しているため、自分1人では困難だったものが周りの環境を整えることで早期回復、現状維持につながることでしょう。

認知症デイケアのプログラム

認知症デイケアプログラムは事業所によって異なりますが、大きく5つに分けられます。

  • 身体機能向上
  • 心理的向上
  • 知的活動
  • 家族支援
  • 地域との関わり

身体機能向上

身体機能向上は、通常のデイケアでも行っている運動・機能訓練が当てはまります。

事業所によっては筋トレやダンス、ヨガ、太極拳など様々な種目で運動を行うことが多いです。

主な目的は運動により脳機能を活性化し、認知症予防を図ることです。

その他にも日常生活上必要な筋力量を向上・維持する目的もあります。

心理的向上

心理的向上は、感情を通して自分を理解することを行い、認知力の向上・維持を目指していきます。事業所によって取り組む内容は異なりますが、芸術や手芸、音楽活動などが多いです。

主な目的は芸術、音楽を通じて脳の活性化、日常生活の質を向上させることです。

また音楽活動の場合は、楽譜を読んで曲を覚えたり歌ったりすることで記憶力の訓練といえます。

知的活動

認知症予防の観点では、知的活動が非常に重要な分野です。脳神経が老化している状態でも頭を使い続けることは認知力の向上・維持につながるでしょう。

知的活動の主な活動内容は将棋などのボードゲームやパソコン作業など考えさせる作業です。事業所によって活動内容は異なるので確認してみてください。

考えさせることで脳を使い認知機能を刺激して、認知機能低下の予防や考えることへのチャレンジ精神を養えます。

家族支援

認知症は周りの家族の理解、協力が必要不可欠です。ご家族にも認知症についての理解を深めることでサポートしやすい環境を作れることでしょう。

家族間で助け合いコミュニケーションを増やすことで、認知症の予防にもつながります。

地域との関わり

デイケアの目的は住み慣れた地域でこれまでの生活を維持するのが目的で認知症デイケアも同様です。住み慣れた地域で過ごすためには地域との関わりは不可欠といえます。

住み慣れた地域で活動することにより認知症予防にもつながるでしょう。

認知症デイケアと他の介護サービスの違い

認知症デイケアは認知症に特化したデイケアです。その他の介護サービスとの違いを以下に解説します。

  • 認知症デイケアとデイケアの違い
  • 認知症デイケアと精神科デイケアの違い
  • 認知症デイケアとデイサービスの違い

それぞれ対象者、目的が異なるため介護サービスを選ぶ際には注意が必要でしょう。

認知症デイケアとデイケアの違い

認知症デイケアとデイケアは両者とも専門のリハビリ施設です。日常生活の維持・向上をしていくために必要なリハビリを行えます。

違いは以下の表にまとめてみました。

適応保険対象者目的
認知症デイケア医療保険日常生活自立度Mと診断された方認知症の進行予防
心肺機能向上
デイケア介護保険要支援1、2
要介護1〜5
自立した日常生活を目指す

認知症デイケアと精神科デイケアの違い

認知症デイケアと精神科デイケアは両者とも医療保険で対応可能です。

違いは以下の表にまとめてみました。

対象者目的
認知症デイケア日常生活自立度Mと診断された方認知症の進行予防
心肺機能向上
精神科デイケア精神科に通院中で医師の指示がある人社会生活機能の向上、社会復帰に向けた準備

認知症デイケアとデイサービスの違い

認知症デイケアとデイサービスの違いは明確です。

違いを以下の表にまとめてみました。

適応保険対象者目的
認知症デイケア医療保険日常生活自立度Mと診断された方認知症の進行予防
心肺機能向上
デイサービス介護保険要介護1〜5介護がメイン
主に介助

自身の利用目的を明確にして、必要な介護サービスを選びましょう。

まとめ

今回は認知症デイケアについて解説しました。

認知症デイケアとは認知症に特化したリハビリ施設です。

通常のデイケアとは異なり、身体機能のリハビリのみではなく脳にもリハビリのアプローチを行います。

認知症は治らない病なので、この病と上手に付き合う必要があるでしょう。

家族内では負担が大きくなりがちなので、施設を上手に使い身の回りの方々、地域と関わりながら生活していくと良いでしょう。

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