2000年4月から介護保険法が適用され、早くも26年が経過いたしました。
介護保険法が適応された背景には介護する家族の高齢化、社会保障の増大と切迫していた状況の中、家庭内では対応が困難になってきた介護を社会全体、地域が支えられる環境を作ることで、介護が必要になった方々が自立した生活が送れるように支援することを目的としています。
その介護保険適用の中で自立した生活を送るためにリハビリができる「デイケア」という介護サービスが存在します。
名前は聞いたことがあるけどどんなサービスか、メリット・デメリットを詳しく知らない人は多いのではないでしょうか。
ここでは以下の内容について徹底解説していきます。以下の内容に当てはまる人は最後まで見てください。
今回は医療ケアに特化しているデイケアを詳しく解説していきます。
デイケアとは介護保険の一つで、リハビリに特化した介護保険サービスです。
別名「通所リハビリテーション」とも呼ばれており、主に医療機関(診療所・病院・老人保健施設)などで提供されています。
医師から要介護認定を受けた利用者が、自立した日常生活が送れるようにリハビリや生活支援が受けられます。デイケアを通して、リハビリ、機能訓練をしてより良い生活をしていきたい人にオススメです。
デイケアはリハビリを行い、現状の身体機能を維持・向上を目指していくのが目的です。
要介護認定を受けると重症度や、人によって日常生活でできる幅に違いがあります。よって利用者それぞれの状態に合わせて対応が変わることが多いのです。
例えば怪我によってこれまでの日常生活が困難になった場合と、ほとんど寝たきりの状態だと対応が変わりますね。その状態に合わせて対応が変わるのもデイケアの強みといえるでしょう。
次項からデイケアのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
デイケアのメリットは以下にあげられます。
デイケアには医師・専門スタッフが在籍しているため医療的に充実しています。
医療的に充実していることで、専門性が高いことがいえますね。
専門スタッフは以下にあげられます。
専門スタッフ | 対応内容 |
看護師 | ・リハビリのサポート・内服薬の管理・緊急時の対応 |
介護士 | ・リハビリのサポート・日常生活の介助 |
理学療法士 | ・日常生活上必要な基本的動作のサポート(立つ、座る、起き上がる、寝返り) |
作業療法士 | ・日常生活上の応用的な動作のサポート(食事・入浴・移動・排泄・着替え) |
言語聴覚士 | ・聞くこと・話すことに対してのサポート・食べることにおいてのサポート |
栄養士 | ・栄養管理・食事管理・健康管理 |
専門スタッフがそれぞれの役割を果たしています。
専門スタッフによる指導があれば、早期日常生活改善につながることでしょう。
デイケアでは医師の診断を元に医師が指示書を作成するため、専門的なリハビリが受けられます。また、上記に説明した専門スタッフからリハビリを受けられるのでより専門性が高くなるでしょう。
利用者それぞれの状態に合わせて指示書を作成するため、1人1人にあったリハビリが提供されます。
医師・看護師が在籍しているため、健康診断・定期検診などの定期的な健康チェックが受けられます。
定期的な健康チェックが受けられることで、常に健康状態を把握できます。把握できれば少しの体調の変化にも対応ができるでしょう。
リハビリ以外も充実しているデイケアですが、短時間のリハビリのみで利用可能です。
1〜2時間など軽めにリハビリを行って帰宅する場合もあります。
時間の有効活用ができるでしょう。
デイケアはデイサービスとの併用可能です。デイケアでリハビリを、デイサービスで機能訓練、生活介助を行う場合もあります。
また、デイサービスでは栄養バランスを考えた食事管理が徹底している施設もあります。
デイケアに栄養士がいない場合も多いのでうまく使うと良いでしょう。
デイケアに通うことで運動習慣・生活習慣が整えられます。介護認定を受けると生活範囲内が限定され、身体機能が衰える恐れがあるでしょう。
デイケアに定期的に通うことで身体機能の衰えを防止できたり、生活のリズムができるので良いです。
デイケアのデメリットは以下にあげられます。
デイケアは全国で約8,000件の事業所数がありますが、事業所によって設備の充実度が異なる恐れがあります。
個別リハビリを多く取り入れている事業所だと筋トレのマシンが数種類あったり、集団リハビリを多く取り入れている事業所だと筋トレのマシンが少なかったりと事業所によってコンセプトが変わるので利用前に確認が必要でしょう。
デイケアは専門的なリハビリが受けられるため、デイサービスより費用が高くなるでしょう。
また医師が診断書、指示書を作成するのでその書類作成費用もかかてくる場合があります。
リハビリが必要なければデイサービスで十分でしょう。
デイサービスは専門的な施設ではない分、デイケアより施設数が多い傾向にあります。
選択肢が多いので、比較的空きがあり施設数も多いので早く利用ができる場合が多いです。
2021年時点ではデイサービスの施設数が約25,000件、デイケアが約8,000件と約3倍もの差があります。リハビリが必要になる前にデイサービスの利用を始めるのも賢明かもしれません。
デイケアは医師の診察、診断、指示書作成と必要な工程があるため、利用開始までに時間がかかる場合があります。
すぐに始めたい場合は他の介護サービスが良いでしょう。デイケアの利用を検討している人は事前に準備しておきましょう。
デイケアは個人のリハビリのみではなく集団でのリハビリもあります。
個人のみで行いたい人、集団行動が苦手な方は事業所に確認すると良いでしょう。
また個人といえどスタッフから直接指導を行うリハビリは少ない場合もあり、自分だけで行う時間も多くあります。
事前にリハビリのカリキュラムは把握すべきでしょう。
今回はデイケアのメリット・デメリットについて解説していきました。
デイケアにしても他の介護サービスにしても、メリット・デメリットは存在します。
利用するにあたって自分が大事にしているポイントであったり、嫌なポイントを避けて利用するのが良いでしょう。
まず大事な環境作りが今後の生活を支えていきます。