近年介護サービスが複数展開されてきて、高齢者が利用しやすい環境が整備されています。
その中で多様化した利用ができる小規模多機能型居宅介護が注目を集めています。
小規模多機能型居宅介護は複数のサービスが利用可能です。
ここで複数のサービスを利用するにあたっていくらかかるのか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
ここでは以下の疑問について解説します。
小規模多機能型居宅介護の利用をお考えの人は、参考にしてください。
小規模多機能型居宅介護とは、利用者が一つの事業所で3つのサービスを利用できる介護施設です。
3つのサービスとは「通い」「宿泊」「訪問」をさします。
自身が利用したいものを選択し、組み合わせの利用が可能です。
介護保険制度が2006年に改正され、小規模多機能型居宅介護は地域密着サービスとして地域に浸透していきました。
介護等級に変動があっても家での生活を中心に介護サービスを利用し続けられるのは、小規模多機能型居宅介護の特徴といえます。
小規模多機能型居宅介護を利用する際にかかる料金は、以下の2つに分けられます。
小規模多機能型居宅介護の基本料金は月額の定額料金で毎月一定の利用料が発生します。
通い・宿泊・訪問のサービスごとに料金の変動はなく利用が可能です。
サービスごとの変動はないのですが、介護等級によって料金の変動があります。
以下の表にまとめました。
介護等級 | 単位数 | 月額料金 | 1割負担(介護保険) | 2割負担(介護保険) | 3割負担(介護保険) |
要支援1 | 3,450/単位 | 34,500円/月 | 3,450円/負担額 | 6,900円/負担額 | 10,350円/負担額 |
要支援2 | 6,972/単位 | 69,720円/月 | 6,972円/負担額 | 13,944円/負担額 | 20,916円/負担額 |
要介護1 | 10,458/単位 | 104,580円/月 | 10,458円/負担額 | 20,916円/負担額 | 31,374円/負担額 |
要介護2 | 15,370/単位 | 153,700円/月 | 15,370円/負担額 | 30,740円/負担額 | 46,110円/負担額 |
要介護3 | 22,359/単位 | 223,590円/月 | 22,359円/負担額 | 44,718円/負担額 | 67,077円/負担額 |
要介護4 | 24,677/単位 | 246,770円/月 | 24,677円/負担額 | 49,354円/負担額 | 74,031円/負担額 |
要介護5 | 27,209/単位 | 272,090円/月 | 27,209円/負担額 | 54,418円/負担額 | 81,627円/負担額 |
参考:令和6年度厚生労働省データ(介護報酬の算定構造)
介護保険サービスは「単位」で料金が決められています。単位は住んでいる地域ごとに決まっています。上記の表は単位を10円で計算した表です。
月額料金は、介護等級により異なります。
利用者は月額料金を全て負担するものではなく、負担割合によって金額が変わります。
基本的には利用者の負担が1割負担の場合が多いです。
利用者が負担する金額が1割だった場合、残りの9割は介護給付から支払われます。
要支援の場合は月額料金が3,000円〜7,000円前後ですが、要介護5の方が利用する場合は月額料金が3万円近く費用がかかります。
月額利用料金は一定ですが、自身の介護等級と負担割合が何割なのかは事前に把握しときましょう。
基本料金(月額定額料金)以外に、小規模多機能型居宅介護を利用する際はその他の料金が発生します。
その他料金は以下にあげられます。
加算料金は手厚いサービスに対して加算される費用で、施設のサービスの充実度や施設体制により料金が異なります。
施設により加算料金の内容が変わっているので事前にチェックすると良いでしょう。
以下が主な加算項目です。
サービスの初回登録時から30日間かかる費用が初期加算です。
1日あたり30円の初期加算が発生します。
初期加算ではサービスの利用開始時に伴う、様々な支援をするために必要な費用です。
訪問体制強化加算は、2つの条件を満たしている場合に発生する費用をいいます。
以下が発生条件です。
2つの条件を満たした場合に目安として月額1,000円前後の費用が発生します。
小規模多機能型居宅介護のサービス提供を強化するにあたり、事業所に勤務する職員がある一定割合増えた場合にサービス体制強化加算が発生します。
職員の中で介護福祉士の割合を増やしたり、10年前後のベテラン職員の割合を増やした場合など、一定の条件を満たした場合にかかる費用です。
月額700円前後の費用がかかります。
総合マネジメント体制強化加算は、利用者の体調の変化や、ご家族の要望により都度適切な介護計画の見直しを図る際にかかる費用です。
月額1,000円前後の費用が発生します。
認知症加算は、認知症の症状がある利用者を受け入れる際に発生する費用です。
認知症の方に適切な介護ケアを提供するために人員基準を満たす必要があります。
月額500円〜800円あたりの費用が発生します。
宿泊サービスを利用する場合は宿泊費が発生します。
宿泊サービス内に宿泊費が含まれない場合があるので、利用する際は注意が必要です。
事業所によって宿泊費は変動があるので、いくらか確認しておくと良いでしょう。
実費費用は持ち込みも可能なので、施設によって費用がかからない場合があります。
以下の2つは実費負担分として分けられることが多いです。
食費は施設側に頼む際、1食あたり300円〜800円程度と言われていますが事業者や時間帯によって変動があります。
通いサービスや宿泊サービスを利用時に、施設で準備した食事の場合都度費用が発生します。食事の回数や一回の食事量によっては個人で準備するのが良いでしょう。
宿泊サービスを利用した場合に、おむつを使用するとおむつ代の費用が発生する場合があります。
個人で準備する場合は費用が発生しないので、利用頻度に応じて個人で準備した方が費用が抑えられる場合もあるので利用頻度は確認しておくと良いでしょう。
小規模多機能型居宅介護の対象者は、特定の条件を満たしている必要があります。
以下が利用条件です。
地域密着サービスなので住み慣れた地域で介護認定を受けている人が対象です。
小規模多機能型居宅介護で受けられるサービスは3つに分けられます。
通所介護は、介護が必要となった人が日中施設に訪れて食事や入浴の介護などのサービスを受けられます。
他にもリハビリ、レクリエーションを通して社会の繋がりを保つ目的として利用する人もいるでしょう。利用する人は自身の都合に合わせて、短時間の利用ができたり一部のサービス利用が可能です。
家族介護者にとっても通所介護を利用してもらうことは、介護の負担を軽減できるでしょう。
訪問介護は自宅での生活を維持したい人に向けてのサービスです。
サービス内容は通所介護と変わらず、身体的生活介助を受けられます。
自宅で受けられるので通う手間を省けるでしょう。
宿泊は、介護を必要とする人が一時的に介護施設に宿泊ができ、専門的なサービスを受けられます。
利用者の容体や、介護家族者の用事によって宿泊を利用する場合が多いです。
小規模多機能型居宅介護に向いている人は以下にあげられます。
1つの事業所で3つのサービスを利用できるのが特徴で、地域密着なので変化をしたくない人には好ましいでしょう。
月額の定額料金は家族にも安心です。
小規模多機能型居宅介護に向いていない人は以下にあげられます。
小規模多機能型居宅介護は、地域密着同一事業所のため変化は少ない傾向になります。
変化を好む人には向いてないでしょう。
この記事では小規模多機能型居宅介護の料金について解説しました。
小規模多機能型居宅介護の基本料金が月額定額制なのが最大の特徴といえます。
費用の確認は自身の介護等級や住まいによって変動があるためしっかり確認が必要でしょう。