コラム

2024年7月25日

小規模多機能型居宅介護のショートステイとは?違いや利用方法、デメリットについて解説

小規模多機能型居宅介護は、地域密着型サービスで地域にお住まいの要介護者が自立した生活を維持できるようにサポートしています。

1つの事業所で3つの介護サービスが受けられるのが一番の特徴です。

利用者にとっては便利な制度といえるでしょう。

ここでは3つの介護サービスの中からショートステイについて解説します。

  • ショートステイにルールはあるの?
  • ショートステイとロングショートに違いはあるの?
  • ショートステイのメリット・デメリットを知りたい

ショートステイにはいくつかのルールや他の宿泊介護と違いがあります。

違いを把握し安心して利用できるように最後までお読みください。

小規模多機能型居宅介護は、「小多機」とも呼ばれる地域密着サービスです。

小規模での介護サービスが特徴で、人数が決められており複数のサービスが利用できます。

身体機能の介助を目的とした通いサービスを中心として、自宅での生活を補助する訪問介護、通いで利用している施設に宿泊できるショートステイがあります。

3つの介護サービスがありますが、ショートステイに関してはずっと泊まれるわけではありません。

必要に応じて短期的なショートステイができるのが特徴です。

次の項目で小規模多機能型居宅介護のショートステイに関して詳しく解説します。

小規模多機能のショートステイとは

小規模多機能型のショートステイは、通いで利用している施設に短期的な

宿泊が可能です。

利用の目的は大きく分けて2つあります。

  • 退院後や精神的に安定しない時期の利用
  • 家族介護者の体調不良や介護が困難な場合

柔軟な対応が可能なため、急遽必要になった場合でも利用可能です。

日数はその日だけの単発の利用から長期的な利用もできます。

ただし、小規模多機能のショートステイを長期的な利用をする場合には「30日ルール」が存在します。

次の項目でどんなルールなのか確認しましょう。

30日ルールについて

30日ルールとは、ショートステイ利用時の訪問診療に関するルールです。

ルールを把握していないとショートステイ利用中に訪問診療が受けられない場合があります。利用中に受けられないと二度手間になる恐れがあるので注意が必要でしょう。

ショートステイ利用中に訪問診療を受ける場合の条件に、ショートステイを開始してから「30日以内」に自宅で訪問診療を受ける必要があります。

たとえば、7月1日からショートステイを利用し7月15日に訪問診療を受ける場合は、7月2日から7月31日の間自宅で訪問診療を受けないとショートステイ中に訪問診療が受けられません。

30日以内に診療を受けていない場合は一度自宅に戻り、自宅で訪問診療を受ける必要があります。

令和2年度に診療報酬について改定がありました。

改定内容は、医療機関に入院していた場合、退院日から小規模多機能のショートステイを利用開始した場合には、30日ルールは適応されず、ショートステイ利用時に訪問診療が受けられます。(令和2年度診療報酬改定

小規模多機能のショートステイとロングショートの違い

小規模多機能ショートステイとロングショートの違いは期間です。

両者とも小規模多機能で適応されるので、提供されるサービスに差はありません。

ショートステイは短期的で、ショートステイが続いた場合をロングショートと呼ぶことが多いです。

数字で表すと30日を超えてショートステイを利用した場合はロングショートといわれています。

ただし、小規模多機能型の宿泊ではショートステイが一般的です。

柔軟な対応ができるためロングショートも利用できますが、介護家族のやむを得ない状況などイレギュラーな対応がほとんどです。

長期的な利用の場合は、長期入所施設の利用も検討すると良いでしょう。

小規模多機能のショートステイとグループホームの違い

小規模多機能型のショートステイとグループホームの違いについて解説します。

両者とも地域密着型サービスとして利用ができ、どちらも少人数制の施設で、宿泊での介護サービスが受けられます。

両者の大きな違いは住まいです。

小規模多機能は自宅の生活を維持するのが目的なため、住まいが自宅です。

自宅を拠点として生活ができます。

グループホームは施設で共同生活を送るため、住まいは施設です。

施設を中心に生活ができます。

拠点をどちらに置いておくかで利用したいサービスが変わるので確認してください。

小規模多機能のショートステイと通常のショートステイの違い

小規模多機能のショートステイと通常のショートステイは利用の柔軟性に違いがあります。

小規模多機能は元々柔軟な対応が可能です。

小規模多機能のショートステイでも柔軟な対応をしてくれます。急な利用や必要なタイミングで利用ができます。

利用者、家族にとっては非常に助かる制度です。

通常のショートステイの場合は、基本的に予約が必須で急な対応が困難です。

また、予約が取りづらい場合や急な予定変更ができない場合があります。

退院後や体調が不安定な人は小規模多機能のショートステイがオススメです。

小規模多機能のショートステイのメリット

小規模多機能のショートステイのメリットは以下にあげられます。

  • 利用者に寄り添った介護
  • 急な対応も可能
  • 基本の費用が定額制度

利用者に寄り添った介護

小規模多機能は利用者に寄り添った介護が特徴なので、安心して宿泊が可能です。

通い、訪問も担当するスタッフだと顔がしれているので関わる時間が増えます。

関わる時間が増えれば良い関係性が築きやすくなるでしょう。

急な対応も可能

小規模多機能は24時間365日対応しているので、ショートステイでも急な対応が可能です。

退院直後や、体調が安定しない方は利用しやすいです。

家族も急な予定や体調を崩してしまった時にいつでも対応してもらえるのは、心強いでしょう。

基本の費用が定額制度

小規模多機能の費用は、1ヶ月あたりの定額制度です。

ショートステイを何度利用しても費用は変わりません。

何度も利用したり、長期的な利用をしたい方には安心して利用できるでしょう。

ただし、具体的な金額は介護認定の等級や自己負担額によって変動があります。

また、食事や基本費用以外の加算分が発生する場合はあるので確認しておきましょう。

小規模多機能のショートステイのデメリット

  • 利用人数に制限がある
  • 部分的に事業所の変更ができない
  • 利用回数に応じて費用が高くなってしまう

利用人数に制限がある

小規模多機能のショートステイは利用人数に制限があります。

1つの事業所に25名が登録でき、ショートステイの利用人数は9名までです。

そのため柔軟な対応ができるものの人数によっては利用ができない場合があります。

ショートステイを長期に行う場合は、違う介護サービスを検討するのが良いでしょう。

部分的に事業所の変更ができない

小規模多機能は、3つの介護サービスが1つの事業所で受けられるのがメリットとしてあるのですが、そのためショートステイのみ別の事業所に変更ができません。

ショートステイにこだわりがある場合は、ケアマネージャーに相談するのが良いでしょう。

利用回数に応じて費用が高くなってしまう

利用回数に応じて費用が高くなってしまう場合があります。

ショートステイのみの利用だった場合は、利用分だけでなく月額の定額制度なので割高になってしまう恐れがあります。

ショートステイのみの利用で十分なのか、通いや訪問を必要とするかは検討が必要です。

まとめ

小規模多機能のショートステイについて解説しました。

小規模多機能は3つの介護サービスが、利用者の体調に合わせて柔軟に対応できるのが良い点です。ショートステイも体調が優れない期間が続いたり、介護家族者の用事で対応してくれるので安心して利用ができるでしょう。

今回はショートステイを取り上げましたが、小規模多機能の3つのサービスを利用しながら自宅での生活を維持したい人にオススメです。

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