コラム

2024年9月19日

リハビリに特化したデイケアサービスとは?他の介護サービスとの違いや利用方法、向いている人を徹底解説

介護保険制度が創設されてから約26年が経過しました。この26年の間に高齢化は止まらず年々増え続けています。高齢化が続いていくと、今後は介護の需要がさらに高まることが予想できるでしょう。

人は必ず老いていきます。老いに争うことはできません。自身の老いや家族の老いにどう向き合っていくかが大事です。

老いていくと通常の日常生活が送れなくなってしまい、日常に支障が出てしまいます。老いても通常の日常生活を送るためにも体に対してケアをしていく必要があるでしょう。

そこで今回は老いても日常生活が送れるようなリハビリを行っているデイケアについて解説します。

以下の内容で気になる方は必見です。

  • デイケアとは?
  • デイケアの利用目的は?
  • デイケアに向いている人は?

デイケアとは

デイケアとは介護保険対象のリハビリに特化した施設です。別名「通所リハビリテーション」とも呼ばれています。

日本では1965年に大阪で初めて高齢者向けリハビリが行われたと言われています。

その後1972年に東京で「東京都養育付属病院」が設立されて、高齢者向けの本格的なリハビリテーションの提供が開始されました。

現在では介護保険の設立により保険体制が充実し、利用しやすいサービスへと発展していきました。

現在デイケアは日本国内で約7,000件の事業所が存在します。今後も事業所数は増えていくことでしょう。

冒頭でも述べたようにデイケアはリハビリに特化した施設です。利用者の自立した生活を助けるためのリハビリが受けられます。

リハビリに特化した施設なため、専門スタッフが在籍しています。

専門スタッフとは医師・看護師・リハビリ専門職など幅広く在籍し利用者にあったリハビリを受けることが可能です。

専門的なリハビリを受けることで早期回復につながるでしょう。

以下の次項からより詳しく解説していきます。

デイケアの対象者

デイケアの対象者は以下の通りです。

  • 要支援1・2
  • 要介護1〜5
  • 医師にリハビリが必要と診断された場合

以上の項目にどれかに当てはまれば良いのではなく、要介護認定を判定され、尚且つ医師からリハビリが必要だと診断された場合にデイケアが利用可能です。

要介護認定は介護の必要性を数値化したもので、厚生労働省が状態に応じて決めています。認定を受ける際は地域の自治体に申請が必要なので確認してみましょう。

デイケアの利用目的

デイケアの利用目的は以下に分かれます。

  • 生活機能の向上・維持
  • 身体機能の回復・向上
  • コミュニケーション能力の維持・向上
  • 日常生活介助

生活機能の向上・維持

生活機能の向上・維持を目的としてのリハビリが受けられます。要介護認定を受けているとこれまでできていた生活上の動作が困難になり、自立した生活を行えない場合がみられます。

例えば入浴や食事など通常できていたものができなくなってしまう恐れがあるので、デイケアでは1人で入浴できるようになったり、食事でものをうまく飲み込めるような専門的なリハビリが受けられるでしょう。

身体機能の回復・向上

身体機能の回復・向上を目的として筋トレ、運動などが受けられます。

特に怪我や病気により長期的な入院が必要となった場合に、一番衰えるのが筋肉、心肺機能です。

衰えを進行させないためにも病院ではリハビリを行いますが、退院後もリハビリが必要でしょう。デイケアでは退院後も身体機能の回復・向上に向けて対応ができます。

コミュニケーション能力の維持・向上

高齢になったらコミュニティがすくなり会話やコミュニケーションを図る機会が少なくなることでしょう。介護認定を受けると自立した生活が困難になり、コミュニケーションも取りづらくなることでしょう。

デイケアではリハビリ以外にもレクリエーションがあり、スタッフや他の利用者との交流ができます。交流の場を作ることによりコミュニティも作れてコミュニケーションも取れてより良い生活が送れることでしょう。

また麻痺により言語障害が起きた場合は、専門も言語聴覚士を中心とした専門的なリハビリが受けられます。

生活機能・身体機能のみではなくコミュニケーションの能力もしっかりケアしていきましょう。家族とのより良い時間に繋がります。

日常生活介助

デイケアではリハビリ以外にも生活介助が受けられます。

食事・排泄・入浴など自力では困難な場合はスタッフの力を借りながら一緒に行います。自力で行うのに不安な場合は介助をうまく使用すると良いでしょう。

デイケアとデイサービスの違い

デイケアとデイサービスは同じ介護サービスですが、大きく2つ違いがあります。

  • 利用目的・サービス内容
  • 人員・スタッフ

利用目的・サービス内容

デイケア(通所リハビリテーション)デイサービス(通所介護)
利用目的・生活機能の向上・維持・身体機能の回復・向上・コミュニケーション能力の維持・向上・生活介助・家族の介護負担軽減・身体機能の維持・他の利用者スタッフとの交流・家族の介護的負担軽減
サービス内容・リハビリ・医師の診察・体調管理・健康管理・送迎・レクリエーション・生活動作の介助・機能訓練・送迎・レクリエーション・生活動作

デイケアとデイサービスは名前が似ている介護サービスですが、目的は大きく異なります。

専門的なリハビリをしたいのか、生活の介助をしたいのかによって選ぶ介護サービスに違いがありますので、選ぶ際は注意が必要でしょう。

両方併用できる場合もあるので担当のケアマネージャーに確認してみてください。

人員・スタッフ

デイケア(通所リハビリテーション)デイサービス(通所介護)
人員・スタッフ・医師・看護師・理学療法士・作業療法士・介護士・言語聴覚士・栄養士・看護師・介護士・機能訓練指導員

両者とも目的が異なるため人員・スタッフにも違いがあります。

デイケアには専門的なリハビリが受けられるためリハビリ専門職が在籍しています。

言語聴覚士や栄養士などは、事業所によって在籍していない場合があるので確認が必要でしょう。

デイサービスでは日常生活の維持をしていくために、機能訓練指導員が在籍しています。

リハビリとは違い、日常生活に必要な機能を維持していくために訓練が行えます。

デイケアに向いている人

デイケアは以下のような人にオススメです。

  • 要介護認定でリハビリが必要
  • 専門的なリハビリが必要
  • 退院直後でリハビリを継続したい
  • リハビリのみではなくレクリエーションも楽しみたい
  • 生活習慣を安定させたい

リハビリを中心に考えている人はデイケアを検討してみてください。

まずはリハビリが必要な状態なのか担当の医師に確認しましょう。

デイケアに向いていない人

デイケアに向いていない人は以下にあげられます。

  • リハビリが必要ない
  • 生活介助だけで問題ない
  • 機能訓練だけで問題ない
  • 医師がリハビリを必要としていない

基本的にリハビリの専門施設のためリハビリが必要ない場合は違う介護サービスでも良いでしょう。まずはリハビリが必要な体の状態か医師に確認してみましょう。

まとめ

今回はデイケアについて解説しました。

介護保険制度が設立されてから介護サービスが充実していきました。その中でも近年の高齢者の増加に伴い介護保険のニーズは高まることでしょう。

今は介護を身近に感じていない人もきっと今後触れていく分野といえます。

今のうちにデイケアだけでもいいのでしっかりおさえておきましょう。

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