コラム

2024年11月11日

デイケア「通所リハビリテーション」の役割とは?その他介護サービスとの比較

介護が必要となった世代が多くなる近年ですが、介護サービスであるデイケアの需要が高まり、近年事業所数が増加傾向です。

デイケア以外にも、要介護認定を受けた高齢者がより良い生活を目指していくための介護サービスが複数存在します。

そこで今回はデイケア別名「通所リハビリテーション」の役割やその他介護サービスについて以下の項目から解説していきます。

  • デイケアの役割とは
  • デイケアとその他介護サービスの違い

デイケアの利用やその他介護サービスとの比較をしていきたい人に必見です。

デイケア「通所リハビリテーション」について

通いで受けられる介護サービスの1つにデイケアがあり、別名「通所リハビリテーション」とも呼ばれています。要介護状態の診断を受けた高齢者が医師の診断・指示書を受け、必要に応じてリハビリが受けられます。

リハビリを受ける目的は、身体的状態の衰えにより日常生活を過ごしていくのに支障が出てしまうためその支障を無くし、より良い生活にしていくことです。

より良い生活を目指していくためには周りのサポートは必要不可欠でしょう。

デイケアのリハビリを利用すれば、生活に必要な体力・応用力が身につきます。

詳しい役割は事項で解説します。

デイケアの役割

デイケアの役割は大きく3つに分けられます。

  • 身体機能の維持・向上
  • 社会復帰のサポート
  • 家族の介護負担軽減

身体機能の維持・向上

デイケアでは身体機能の維持・向上を図るためにリハビリ・生活介助・レクリエーションのサービスを展開しています。

利用者それぞれの状態に合わせたベストなサービスが選択可能です。リハビリの場合は、リハビリ専門職の方々が在籍しているので、日常生活上の基本的な動作能力の向上から、応用的な動作能力の向上をサポートしてくれます。

生活介助では、食事や入浴、排泄などの生活上自立が求められる動作を手助けしてくれます。要介護認定を受けるまで通常できていた動作ができなくなるのは億劫に感じる場合があると思いますが、サポート体制が充実しているため安心して利用ができるでしょう。

レクリエーションの種類は豊富にあり、個人から集団まで様々なレクリエーションが存在します。ここでは自身の状態に合わせたベストなレクリエーションを受けると良いでしょう。

例えば、認知的機能に衰えが出始めた時には脳トレなどのレクリエーションを行ったりすると脳のトレーニングができます。

その他レクリエーションの種類に関しては事業所に確認すると良いでしょう。

社会復帰のサポート

デイケアでは身体機能の維持・向上のみではなく社会復帰のサポートも行なっています。

高齢になり要介護認定を受けると生活環境が激変し、これまでの交流が少なくなってしまう傾向になります。そうなると孤独感を感じ、メンタル的に不安定になる恐れがあるでしょう。

デイケアではメンタル的なサポートとして、他の利用者やスタッフとの交流を深めて社会復帰の促進を行います。交流の場を増やすこと、社会復帰しデイケア外の活動もできるようになるでしょう。

家族の介護負担軽減

デイケアのみならず介護サービスが普及した背景には、介護家族の負担が増えていた現状がありました。デイケア等の介護サービスを利用すれば専門的なケアが受けられるので、家族が介護する手間が軽減できます。専門的なケアを受けて自宅で活用できれば、さらに家族の手間が軽減できるでしょう。

また、一時的に預かってもらうことで家族に時間が生まれその時間を有効活用できるでしょう。

デイケアとその他介護サービスの違い

デイケアとその他介護サービスの違いについて解説します。

名前が類似しているサービスが複数あるので、違いを明確にするのが大事です。

  • 通所リハビリと入所リハビリの違い
  • 通所リハビリと入所介護の違い
  • 通所リハビリとリハビリ特化型デイサービスの違い
  • 通所リハビリと精神科デイケアの違い

通所リハビリと入所リハビリの違い

通所リハビリと入所リハビリの大きな違いは生活の拠点です。通所リハビリの場合は、施設に通ってサービスを受けるため自宅が生活の拠点で、入所リハビリの場合は、施設に入居してサービスを受けるため施設が生活の拠点といえます。

通所リハビリの場合は、施設に通えるほどの状態で要介護認定が低い方が多く、入所リハビリの場合は、自宅から施設への通院が困難な場合に利用するケースが多いため要介護認定が高い方が多い傾向にあります。

両者ともリハビリを中心とした介助・レクリエーションがサービス内容であるため、自身の状態に応じて拠点を自宅か施設にするかで決めてみましょう。

通所リハビリと通所介護の違い

通所リハビリは別名「デイケア」であり、通所介護は別名「デイサービス」と呼ばれており似ている名の介護サービスであるため意味が混合しやすい為注意が必要です。

両者とも介護サービスとして、様々なサービスを展開している事業所ですが目的が異なります。

通所リハビリ(デイケア)通所介護(デイサービス)
目的身体機能の維持・向上日常生活支援
主なサービスリハビリ日常生活支援動作
医療的な側面強め弱い
対象者自立度の向上をしたい日常生活のサポートが必要他者との交流を深めたい

目的に応じて利用を検討すると良いでしょう。または、併用して利用も可能なため両者とも利用してみたい場合は担当のケアマネージャーに相談してみてください。

通所リハビリとリハビリ特化型デイサービスの違い

通常のデイサービスの目的は、上記の表に記載されている通り日常生活の支援が主ですがリハビリ特化型デイサービスは身体機能の向上を目的としているため、通所リハビリと似ています。ですが、両者の明確な違いは医師の指示があるかどうかです。

通所リハビリの場合は、医師の診断を経て指示書が作成されて利用ができるのですが、リハビリ特化型デイサービスの場合は医師の指示書が不要です。

リハビリ型デイサービスの場合は、機能訓練指導員が中心となり利用者の状態に合わせたリハビリを提供しています。デイサービスよりもリハビリ中心で介護サービスに抵抗がある方におすすめといえます。

微妙な違いなため、どちらを利用すれば良いかわからない人は医師や担当のケアマネージャーに相談してみると良いでしょう。

通所リハビリと精神科デイケアの違い

両者とも生活の質を向上していくための介護サービスではありますが、項目ごとによって違いがあります。

項目通所リハビリ精神科デイケア
対象者要介護認定を受けた高齢者精神疾患で精神科などへ通院している人
目的自立した生活生活水準の向上社会復帰や就労を目指す再休職の予防生活する力を身につける
効果身体機能の維持・回復家族介護の負担軽減生活リズムの安定精神症状の改善コミュニケーションの向上自己肯定感の向上
提供している施設介護老人保健施設介護医療院病院診療所精神科クリニック総合病院(精神科を有する場合)保健所
利用保険介護保険医療保険

肉体的なアプローチが必要な状態なのか、精神的なアプローチが必要かどうかが利用を検討するポイントといえます。

まとめ

今回は通所リハビリの役割とその他介護サービスとの違いを解説しました。

通所リハビリのみではなく、全ての介護サービスに共通するのが利用者の生活をより良くするための対策があります。

介護サービスはそれぞれの専門家が在籍しているため、利用者の状態に合わせてベストな提案をしてくれるでしょう。

自立した生活が困難な場合は、介護サービスを利用すると良いですね。

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