コラム

2024年8月19日

小規模多機能は誰が利用できるの?対象者の介護度や利用方法を解説

小規模多機能は、利便性が高く評価の高い介護サービスです。利便性の高さは、3つの介護サービスを自身の体調や状態に合わせての利用が可能なところです。

ただし、誰でも利用できるわけではありません。

小規模多機能を利用できる人に限りがあります。

一体、どんな利用ができるのでしょうか。

以下の疑問について解説します。

  • 小規模多機能の対象者は?
  • 小規模多機能のサービス内容は?
  • 料金はいくらかかるの?
  • 小規模多機能のメリット・デメリットは?

小規模多機能を安心して利用ができるように最後までお読みください。

小規模多機能とは

小規模多機能は、要介護者となった人が今の生活を変えたくない、自宅を中心に生活を継続したい人にオススメな介護サービスです。

事業所が1つで、3つの介護サービスを受けられます。

自宅を中心とした生活が可能なため、通いを中心とした介護サービスです。

小規模多機能が生まれたのは2006年に介護保険改正が行われ、地域密着型サービスとして確立されました。

今後自宅を中心として、複数の介護サービスを受けたい人にオススメです。

まずは、自身が小規模多機能を受けられる対象者なのか確認してみましょう。

小規模多機能の対象者

小規模多機能の対象者は、要介護認定されている要支援1〜要介護5までが適応範囲内であり、尚且つ利用する事業所と同じ自治体に住んでいることが条件です。

地域密着型サービスのため、同じ自治体が条件です。

要介護の基準は、介護にかかる時間を7段階に区分して、厚生労働省が定めています。

厚生労働省が定めている介護認定区分は以下の通りです。

  • 要支援1
  • 要支援2
  • 要介護1
  • 要介護2
  • 要介護3
  • 要介護4
  • 要介護5

要支援1

要支援1は、基本的には1人で生活が可能ですが、掃除や家事など一部に支援が必要な状態です。

介護に要する必要な時間は25分以上32分未満と決められています。

基本的に食事や入浴は1人でできるのでサポートが少なくすみます。

通いを中心としてレクリエーションや機能訓練を行い、訪問で掃除のサポートをしてもらうのが良いでしょう。

要支援2

要支援2は、要支援1と同様に1人で生活が可能です。

要支援1との違いは、身体機能です。要支援2の方が支援を必要としています。

例えば、歩行時にふらついたり立ち上がりに介助が必要な場面が多いです。

介護に要する必要な時間も32分以上50分未満です。

身だしなみや入浴時に全身を洗うのに苦労するため、通いでの身体介助を中心にサポートしてもらうのが良いでしょう。

要介護1

要介護1も基本的には1人で日常生活が送れます。

要支援1〜2の違いは身体能力、思考力の低下があり、日常的に介助を必要とします。

介護に要する時間は要支援2と同様32分以上50分未満ですが、入浴時や排泄に介助が必要です。

通いでの入浴、排泄介助、訪問でも同様のサービスを中心に受けるのが良いでしょう。

要介護2

要介護2は、認知症の初期症状がみられる段階なため、日常生活上の生活全般で介助や見守りが必要です。

介護を要する時間は50分以上70分未満と1時間ほど必要となってきます。

食事、排泄などは1人でできるが認知症の初期症状がみられる場合は見守りが必要でしょう。また、薬を服用している場合は複数回服用が必要となるのでタイミングに応じて服用介助を行うと良いです。

身体機能に顕著に衰えが見え始めることなので、通いでの機能訓練や、送迎を頼むのが良いでしょう。

要介護3

要介護3は、入浴、食事など一般的な生活を1人で行うことが困難であり常にサポートが必要な状態です。

介護に要する時間は70分以上90分未満と1時間以上必要とします。

食事、排泄、入浴など介助が必要で認知能力の低下がみられるため問題行動を起こす場合があります。

通い、訪問で生活介助を中心として利用するのが良いです。

病院に通院している状態であれば、通院介助などもうまく使うと良いでしょう。

要介護4

要介護4は、自立した生活が困難な状態です。移動ができない状態なので常に介助が必要です。

介護に要する時間は90分以上110分未満と2時間ほど必要とします。

要介護3より認知能力の低下が見られるため、意思疎通が困難な場合が多いです。

常に介助が必要な状態なので、宿泊を中心として利用するのが良いでしょう。

要介護5

要介護5は、介護等級の中でも一番高いです。

日常生活上常に介護を必要としている状態で、自立した生活が困難です。

介護に要する時間は110分以上と2時間以上要する場合もあります。

基本的に寝たきりの状態が多く、意思疎通も要介護4より難しいです。

宿泊を中心として利用するのが良いです。

また、自宅での生活復帰が困難な場合は小規模多機能以外の利用も検討すると良いでしょう。

小規模多機能のサービス内容

小規模多機能のサービス内容は、3つあります。

事業所に所属するケアマネジャーがケアプラン(介護サービス計画書)を利用者の健康状態、介護家族の状況を確認しながら作成します。

ケアプランは一度決めてからも修正が可能です。常に利用者の健康状態を把握しながら見直しするので安心できます。

以下の3つのサービスが併用できます。

  • 通い
  • 訪問
  • 宿泊

通い

通いは、小規模多機能の中心となるサービスです。

受けられるサービスは以下にあげられます。

  • 送迎
  • 健康状態の確認
  • 食事・服薬介助
  • 排泄・入浴介助
  • 機能訓練・レクリエーション

自立した生活を送ることが目的となるので、食事から入浴まで今の生活を維持できるような介護が受けられます。

利用者の状態に合わせて短時間の利用から、必要に合わせた介護サービスを受けられるので柔軟な対応が可能です。

訪問

小規模多機能の訪問は、通いが困難な場合や、自宅で必要な家事などの介護サービスが受けられます。

受けられるサービスは以下にあげられます。

  • 買い物同行
  • 通院介助
  • 調理・掃除・洗濯
  • 買い物代行・同行

通いと同様のサービスが受けられるのと、それに加え自宅での生活に必要な支援を受けられるのが可能です。

1日の必要なタイミングで利用可能なため、通いと同様柔軟な対応ができるのが特徴ですが、事業所によっては利用できない時間もあるため、事前にケアマネージャーに相談し調整が必要です

宿泊

小規模多機能の宿泊は、通いで利用している施設に宿泊ができ、通いと同様の介護サービスが受けられます。

通いと訪問同様に、柔軟な対応が可能なため、連泊や突然の泊まりでも利用できます。

体調や生活の維持向上を目的としたり、退院後で宿泊が必要な場合に利用するのが良いでしょう。

小規模多機能の料金

小規模多機能の料金は、1ヶ月の定額制度です。定額制のため利用頻度が増えても料金がかさむ心配がありません。

1ヶ月あたりの費用は以下の通りです。

介護認定同じ建物に居住していない人同じ建物に居住している人
要支援13,438円3,098円
要支援26,948円6,260円
要介護110,423円9,391円
要介護215,318円13,802円
要介護322,283円20,076円
要介護424,593円22,158円
要介護527,117円24,433円

※料金が1割負担の場合。

※一定以上の収入があった場合2、3割負担がある。

小規模多機能のメリット

小規模多機能のメリットは以下にあげられます。

  • 柔軟な利用が可能
  • 同一の事業所でサービスが受けられる

柔軟な利用が可能

小規模多機能は、24時間365日利用可能でいつでも必要なサービスが受けられるため柔軟な利用ができます。

例えば、朝だけ利用したい場合や、訪問だけ利用したい場合など生活に合わせた利用が可能

です。

自身の生活リズムを崩さず利用をしたい人にオススメです。

同一の事業所でサービスが受けられる

小規模多機能は、同一の事業所でサービスが受けられます。

同一の事業所で受けるメリットは、スタッフやメンバーが顔馴染みなため安心して利用できます。

環境の変化が苦手な方や認知症の方にオススメです。

小規模多機能のデメリット

  • 併用できない介護サービスがある
  • 人数制限が設けられている

併用できない介護サービスがある

小規模多機能を利用した場合、介護サービスに制限があります。

通い、訪問、宿泊のサービスが小規模多機能で利用できるため、その3つの介護サービスを他の施設で利用ができません。

現時点で他の介護サービスを利用している場合は、検討してみると良いでしょう。

人数制限が設けられている

小規模多機能は、1日あたりの利用人数に制限があります。

通いの場合は、大体15名以下で宿泊の場合は9名以下とされています。

例外として通いが18名まで利用できる場合もあるので、確認すると良いでしょう。

人気な事業所は予約が取りづらい場合があるので注意してください。

まとめ

小規模多機能の介護度について解説しました。

小規模多機能は介護度に応じて柔軟な対応ができるので、状態が安定している方、今の体調、生活を維持していきたい人にオススメです。

介護等級を確認し、どんなサービスが必要かケアマネージャーに確認してみると良いでしょう。

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